東海愛知新聞バックナンバー

 2月15日【火】

旧本堂の遺構発見

幸田 本光寺で説明会開く

深溝松平家の菩提(ぼだい)寺として知られる幸田町深溝の本光寺でこのほど、明治時代まであった旧本堂の遺構が確認された。文化財調査の一環で境内の梅林部分を発掘し、見つかった。12日には現地説明会が行われ、町内外から約30人が集まった。

発掘調査は国の史跡指定を目指す「本光寺文化財調査」の一環で、今年1月に始まった。同寺に残る寛政3(1791)年の寺領絵図によると、現本堂の西にある梅林の一帯は、明治時代初期まで旧本堂があったとされている。今回は、旧本堂を含む旧伽藍を確認するために行われた。

東西約10メートル、南北約6メートルにわたる試掘坑からは、地下0.3メートルの地点に建物の基礎に当たる基壇とみられるものが確認され、柱があった跡や渡り石の可能性が高い平石、溝なども見つかった。目立った出土品はなかったが、さまざまな観点から試掘坑の辺りは、東西14.4メートル、南北12.6メートルの旧本堂の西端に当たることが推測されるという。

現地で説明を行った学芸員の神取龍生さんは「生活していた痕跡などがうかがえた。旧本堂の全容解明の第一歩。一定の成果はあった」と振り返った。なお、試掘坑は既に埋め戻されている。

本光寺境内の試掘調査は新年度以降も実施され、11月ごろに文化振興展で中間報告をする。同町教育委員会は平成25年度に国の史跡指定を目指すとしている。


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