岡崎市竜南中学校で1日、講演会が開かれ、交通死亡事故被害者遺族の話を聴いた全校生徒はあらためて命の大切さを学んだ。
講師は東海地方に住む女性で、5年前に高校生だった長男を交通事故で亡くしている。女性は、冒頭で「この時期に当時はやっていた音楽を聞くと今でも切なくて思い出します」と切り出し、悔しさをにじませた。
「息子は、中学校時代が一番楽しかったと思います。昨日までいた子が突然いなくなると、パニックになり人生観が変わります」と事故当時を振り返り、「母親にとって子どもは命よりも大切な存在です」と強調した。
女性は当時を思い出し、時折声を詰まらせながら「今生きていること、いつも通りの毎日を送ることがいかに幸せなことか。皆さんも外出したら必ず『ただいま』と帰ってきてください」と呼び掛けた。
生徒らは真剣な表情で1時間弱の講演に聴き入り、「命を粗末にせず、交通安全などに気を付けて生活していきたい」などと話していた。(竹内雅紀)