元大関琴光喜の平成13年9月場所の優勝額が10日午後、保管されている岡崎中央総合公園汚水処理施設倉庫から運び出された。「最後を見届けたい」と岡田庸男元岡崎後援会長も搬出作業に立ち会い、「額を(元琴光喜の)母校に贈れなかったことが最も残念だ」と胸の内を吐露した。
元同後援会事務局によると、額は当初、岡田元会長が経営する京ヶ峰岡田病院のホールに飾られる予定だったが、構造上の問題から搬入できないことが判明。急きょ、元琴光喜の父方の親戚(しんせき)で、化粧回しを寄贈した上岡グループの上岡孝生社長=福岡県糟屋郡久山町=に送られることになった。
倉庫では市職員らが額を覆ったブルーシートを外し、運送業者らが縦3.3メートル、横2.25メートル、重さ約80キロの額を貨物列車用のコンテナに積み込んだ。額はこの日の夕方の列車に乗せられ、11日夕に福岡県に到着、12日に現地に配達される予定。
作業を見届けた岡田元会長は「額が親戚に送られることにほっとしている。保管ではなく飾ると聞いているので、大事にされると思う」と語った。
額は元琴光喜の大関昇進を祝い、平成19年12月から同公園総合体育館のロビーに飾られていたが、一連の野球賭博問題を受けて撤去され、5月22日から倉庫で保管されていた。