東海愛知新聞バックナンバー

 8月3日【火】

岡崎市が21年度決算

法人市民税は半減
市民病院 11年ぶりの“黒字”

岡崎市は2日、平成21年度の決算を発表した。前年度と比べ一般会計の歳入は9.4%増の1,224億8,981万円、歳出は10.4%増の1,183億2,977万円で、翌年度への繰り越し財源4億304万円を引いた純剰余金は、8.1%減の37億5,700万円。企業会計(2会計)では病院事業が平成9年度以来、11年ぶりの“黒字”決算になった。(今井亮)

世界同時不況の影響で市税収入の落ち込みが顕著になったが、定額給付金事業により、歳入、歳出ともに過去最高額となった。

歳入全体の約53%を占める市税は、5.6%減の約647億円で、平成15年度以来、6年ぶりに前年度を下回った。

個人市民税は給与の減収などが響き、1.6%減の約267億円。法人市民税は企業収益の悪化に伴い51.1%減の約31億円。前年度から半減し、過去最高額となった平成19年度に比べると、約40億円の落ち込みとなった。

エコカー減税などで自動車取得税交付金は40.2%の減。国庫支出金は、繰り越し事業の定額給付金、新一般廃棄物中間処理施設建設の廃棄物処理施設整備費補助金、経済危機対策臨時交付金で、119.4%の大幅な増となった。市債は臨時財政対策債などで68.4%の増。

性質別の歳出では、生活保護費や子ども医療費の増加で扶助費が8.4%増。補助費等は定額給付金事業で59.7%増、財政調整基金への積み立てなどで積立金は123.9%増となった。

純剰余金のうち、28億円を来年度の当初予算編成など、将来の財政運営に回すために積み立てる。

特別会計(16会計)は、歳入が約801億3,084万円(3.9%減)、歳出が約791億4,252万円(4.5%減)。介護保険特別会計では要介護、要支援認定者の増加で、保険給付費が7.1%増加した。翌年度への繰り越し財源を差し引いた純剰余金は約7億9,011万円となった。

■水道事業も純利益

企業会計では、病院事業が173億8,498万円の収入に対し、173億6,092万円の支出で、前年度の約6億5,700万円の純損失から、約1,700万円(税抜き)の純利益となった。黒字決算は、市民病院が若宮町から現在の高隆寺町に移転して初めて。

病床の回転率を高めるなどの経営改革で、年間の入院患者数は23万4,666人と、前年比で1,000人増。年間の外来患者数は同比1万4,232人増の34万4,788人だった。同病院では今年度の決算で、8,000万円程度の黒字を見込んでいるという。市民病院の黒字決算について、柴田紘一市長は「医師、看護師、医師会との連携で信頼される経営に徹してきた成果」と述べた。

水道事業は年間配水量と年間有収水量が減少したが、約9億7,000万円の純利益となった。


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