岡崎市門前町の浄土宗・随念寺で、2億5,000万円をかけ、相輪を含めた高さ16.7メートルの三重塔=写真=の建立が進んでいる。工事は塔の内装や外溝を残して約7割が終わり、来年の秋に完成する予定だ。
太陽光を反射して金色に輝く塔の木材にはすべて、長野県木曽地方の国有林から切り出した天然ヒノキが使用されている。特殊な透明の塗料を外壁に重ね塗りしたことで、その輝きは、10年は衰えることがないという。
塔は5.4メートル四方の土台の上に建ち、内部は芯となる四点柱を縄柱12本が囲む。最も大きな1階屋根の一辺は約7メートル。
前住職の村田聖厳執行(77)が、境内西の墓地の高台に塔の建立を計画したのは約8年前。建築は同寺の総門や修理を手がけてきた豊田市在住の宮大工に依頼し、6年前の平成16年に着工した。
「塔は生きた建物」と村田執行。塔の1階は「忍耐」、2階は「希望」、3階は「夢」の願いを込め、「塔から人間的、精神的な強さを見いだしてほしい」と話している。