東海愛知新聞バックナンバー

 6月15日【火】

平和願って合本復刻

岡崎空襲を記録する会
『体験記』の既刊1・2集

岡崎空襲を記録する会(香村克己代表)はこのほど、30年余り前に出した『岡崎空襲体験記』の第1集と第2集の合本復刻版を刊行した。一昨年刊行の第3集と合わせて体験記録の幅が広がり、戦争を知らない世代への説得力が一層増しそうだ。(山本浩禎)

岡崎空襲は、第二次世界大戦末期の昭和20(1945)年7月20日午前1時前から約2時間にわたり、米軍のB29爆撃機127機が岡崎市街地を爆撃。『岡崎市戦災復興誌』によると、大半が焼失し、死者は207人を数えた(記録する会のその後の独自調査によれば、死者は250人を超すという)。

記録する会では、この悲惨な出来事を後世に語り継いで平和の尊さを見直そうと、昭和51年に『体験記』第1集、翌年にも第2集を刊行した。しかし、その後は思うように原稿が集まらず、一昨年になってようやく31年ぶりに第3集を作った。その際、第1・2集を求める声が多かったことから、今回、合本にして復刻した。

第1・2集には30人から50人が執筆。その多くが被災体験直後につづっているため生々しく、その悲惨さがストレートに伝わってくる。ただ現在、その筆者の半数以上が亡くなっているといい、香村代表は「空襲体験者は年齢的にギリギリのところにきている。これを機に、第4集を目指して1人でも多くの体験をとどめていきたい」と話している。

合本復刻版はB5判、約400ページ。表紙のデザインも当時のままで、850冊作った。頒価1,000円。市内の主な書店か香村代表(23―0798)へ。


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