男性も台所に立とう―と、岡崎市岩津市民センターを拠点に活動している自主グループ「男の食彩」(宇野利夫会長)が発足10周年を迎えた。12日には妻や娘らの家族を招待し、豪華メニューで食事会を開催。エプロン姿で腕を振るった“お父さん”たちの料理に、「おいしい」と目を細めていた。(大津一夫)
グループは同センターで開催された「男の料理教室」を受講した人たちで、平成13年4月に発足した。
同教室の講師だった片桐千代子さん(64)らの指導を受けながら1年間に20回開催。年1回は、そば打ちなど“野外教室”も実施している。
会員は現在、60歳代から80歳代の19人。「料理はずっと妻に任せきりだったので、これからは自分も台所に立ちたい」「せめて昼食だけでも自分で調理したい」というのが入会のきっかけ。中には「将来はどうなるか分からない。自分のことは自分でできるように」と話す人もいた。
宇野会長は「和気あいあいと料理を楽しんでいます。これからは継続することが目標です」と話している。
この日の献立は、赤飯▽タイの酒蒸し▽ギンナンの塩炒め▽肉入り卵焼き▽ごま豆腐▽湯葉とかまぼこのすまし汁▽栗ようかん―という豪華なもので、フルーツと、さくら茶も添えられた。
会員19人は午前9時から準備。食材を刻んだり、卵を焼いたりしたあと、食器に盛り付けた。片桐さんは「料理の腕はレベルアップしています。特に後片付けが早くなりました」と笑顔で話す。
正午から食事会が始まり、出来上がったばかりの料理を集まった家族と会員が一緒に味わった。招かれた家族の1人は「最近は、お父さんがお昼の食事の一品を作ってくれます」と話していた。