岡崎信用金庫は11日、関連会社に出向していた元同信金主務の男性職員(43)と、元同信金刈谷ブロック長兼刈谷支店長の男性職員(54)が、顧客の預金を着服していたことが発覚したと発表した。同信金は今月3日付で元主務の男性を懲戒解雇処分にし、業務上横領で刑事告訴する方針。元ブロック長兼支店長の男性は事情聴取中の4月7日に自殺したため刑事告訴はしないが、懲戒解雇処分に該当するとして退職金は支給しない。
今年2月に公表した2件の着服を受けて、同信金が全職員を対象に進めていた身上調査でいずれも発覚した。2人の元職員はともに、定期預金・定期積金の無断解約や、普通預金の不正引き出しなどで着服していた。
元主務の男性は、渉外担当だった平成13年から今年3月までの8年11カ月間、勤務した港、笠寺、小田井の3支店の45取引先から9,275万円を着服した。
元ブロック長兼支店長の男性は、同11年から3年5カ月間で、2取引先から4,406万円を着服し、個人的な商品先物取引で運用していた。ほかに不明瞭な約2億2,000万円があるという。
同信金では役員15人の前期決算の役員賞与を全額返上し、役員と元職員の上司らを減俸や減給処分とした。
大林市郎理事長は「多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げる」と陳謝し、「組織的に内部・リスク管理体制づくりを徹底する」とした。