岡崎市滝町、滝山寺で20日開催される鬼まつりで50年ぶりに「たいまつ行列」が復活する。長さが3.03メートルもある大たいまつ2本を計16人で担ぎ、当日午後3時から滝山寺三門から本堂まで約800メートルを1時間かけて練り歩く。このほど三門前で、各集落代表の12人衆らにより、たいまつ作りが行われた。(大津一夫)
関係者によると、たいまつ行列は大たいまつを先頭に、12人衆、棒付き、住職を守る「若徒」、住職、三人の冠面者が、“鬼まつりの唄”を歌いながら練り歩く。
祭りムードを盛り上げるためのものだが、昭和30年代の半ばから行われなくなった。高度経済成長期で、若者たちが仕事で忙しくなり、たいまつの担ぎ手がいなくなったためとされる。
その後は12人衆と住職、3人の冠面者らだけで行っている。このとき、冠面者がお菓子の「タンキリ」を配るのが名物。
滝山寺鬼まつり保存会(中根茂会長)では数年前から行列復活の声が上がり、ちょうど50年が経過したことで一気に盛り上がり、「やろう」と復活が決まった。
たいまつ行列と同様に、50年ぶりに復活する鬼まつりの唄は歌詞が残っている。
「見たかなア/聞いたかヨー/五穀の祈り/今もなア/輝くヨー/鬼まつりよ…」と“木遣(や)り唄”のような節で歌われ、「ヤレヤレヤレ」「ホラホラホラ」と掛け声がかかる。
このほど行われた大たいまつ作りには12人衆らが参加。割った竹の中に笹を包み込むように、しっかりと縄でしばった。
滝山寺の山田亮盛住職は「皆さんが、地元の祭りとして盛り上げていただけることがうれしい。大勢の人でにぎわうことを願っています」と話している。
大たいまつは祭りのあと、同寺宝物殿脇に展示される。