幸田町は9日、一般会計126億4,000万円、特別会計63億5,000万円、水道事業会計14億1,000万円とする総額204億1,000万円(前年度当初比2.0%増)の平成22年度当初予算案を発表した。景気低迷の影響で歳入の軸となる町税収入は前年に続き減少し苦しい財政運営を強いられる形となった。
一般会計は2.9%増。子ども手当の国の補助5億3,000万円を差し引くと、実質は120億9,000万円で、1.5%減となる。
歳入面では、町税収入が9.3%減の69億5,000万円。中でも町民法人税は、57.2%減の8,570万円と初めて1億円を切り、過去最低となった。町では、この減収分を基金からの繰り入れや起債、経常経費の削減などで賄う。
歳出面では、平成23年度末の開業予定のJR新駅関連事業に、一般会計全体の約1割となる11億5,000万円を盛り込んだことが目立った。
主な事業は、子ども手当支給事業に9億円。5月に駅舎着工予定の新駅建設7億4,400万円、同駅自由通路工事委託に2億8,500万円、パーク&ライドなど新駅周辺開発整備に1億1,500万円。
新規事業は、大名墓から多数の副葬品が出土した同町深溝の本光寺の文化財調査に1,776万円、環境施策の一環として電動自転車18台をリースして行う社会実験に420万円、老朽化した高規格救急車の買い替えに3,050万円など、最小限にとどめた。
昨年、財政難で中止した「こうた夏まつり」は復活し、350万円を計上。近藤徳光町長は「町民の要望が強く元気を取り戻すのに必要なイベント」と説明した。