きょう31日午後7時までの営業をもって、38年間の歴史に幕を下ろす松坂屋岡崎店(岡崎市康生通西3)。前日の30日は最後の週末とあって、午前10時の開店から閉店を惜しむ大勢の“松坂屋ファン”が途切れなく来店し、店内は隆盛を極めたころのような活気であふれた。(今井亮)
この日の開店15分前に行われた1階フロアでの朝礼では、フロア責任者の男性社員が「閉店を名残惜しみ、店頭の張り紙を見て涙を流すお客様もみえます。最後になってお客様をがっかりさせないよう、接客と販売活動にいそしんで最後の山場を迎えましょう」と、従業員約100人に呼びかけた。
同店では昨年の11月26日に閉店セールがスタート。「JR私鉄忘れ物リサイクル品特別放出」「九州物産展」など、5階での催事も充実させた結果、今月22日に売り上げの当初目標20億円を達成した。27日から「最終売り尽くし」が始まった勢いもあり、売り上げは目標額を大幅に超えて伸び続けているという。
38年間、自転車で通い続けてきた同市元能見町の80代の女性は「自宅から近いので、利用するうちに生まれたたくさんの思い出もあり、物産展には必ず足を運びました。本音を言えば閉店しないでほしいです」。
ある男性社員は「接客でも商品でも、最後まで松坂屋らしく振る舞い、岡崎店が存在したことをお客様の心に刻み、『これぞ松坂屋』というものを残したい」と話していた。