岡崎野鳥の会(松井弘会長)が発足20周年を迎えた。これを記念して今年は、人々の関心の広がり、鳥や環境に対する視野の広がり、鳥が安心できる環境の広がり―を目指し、3月から4月にかけて「朗読会」を開くなどの活動を繰り広げる。朗読会の参加者には植樹を呼びかけ、野鳥が生息しやすい環境づくりも進める。(大津一夫)
同会は、西三河野鳥の会会員だった松井さんら4人が「探鳥会の指導者を育成しよう」と呼びかけ、平成2年1月28日に乙川で第1回探鳥会を開いたのが始まり。
その後、探鳥会の場所を増やし、現在は竜美丘の野鳥の森、東公園、中央総合公園、矢作川・中之郷、おかざき自然体験の森などで月10回開催。「これだけ定例会を開催している野鳥の会は全国でも珍しい」という。会員はいま約160人を数える。
「岡崎は平野と山、川があり、野鳥が集まる環境に恵まれている」と松井さん。昨年は計109回の探鳥会を開催した。延べ2,681人、1回平均で約25人が参加。計144種類の野鳥を確認した。竜美丘会館北の乙川でヒクイナ、岡崎公園で水浴びをするキレンジャクを見ることができた。
松井さんは「10年ほど前から、カワセミなど本来は渓流にいる野鳥が平野で見られるようになった。山の環境が荒れてきたのでは」と心配し、「これからは環境保全を訴えることも活動の1つ」と話している。
岡崎野鳥の会発足20周年の記念事業は、3月12日と4月3日、美合町の県青年の家で開く「朗読会」。
フランス人作家、ジャン・ジオノ原作の「木を植えた人」を、舞台俳優の榊原忠美さんが朗読する。榊原さんは12年前から全国で「木を植えた人」の朗読会を開き、260回を超えている。
3月12日は午前10時30分からと午後2時からの2回、4月3日は午後7時から。無料。中学生以上が対象で定員は各50人。参加者には植樹を呼びかけ、センリョウ、ナンテン、ハナミズキなどを配り、自宅の庭に植えてもらう。
このほか同会では、豊田市自然観察の森や伊良湖岬、静岡県富士宮市の朝霧高原など市外で自然観察会を開くことも予定している。
申し込み、問い合わせは同会の杉木さん(24―3957)へ。
岡崎市東明大寺町の喫茶店のカフェ・ジュエで、野鳥のスナップ写真展が開かれている。
岡崎野鳥の会の会員が、探鳥会などで撮影したL判サイズの約20点。カワセミのホバリング、ミサゴが空中でフンをする様子、獲物を狙うササゴイなど、一瞬のシャッターチャンスを生かした作品が並ぶ。
2月20日まで。8日に作品を入れ替える。同店は水曜日休み。