松坂屋岡崎店に21日、閉店日(31日)までの日数を表示する「カウントダウンポスター」が登場した。岡崎市民らに長く親しまれた老舗百貨店の営業は残りわずか。担当者は「とうとうこの時期が来てしまった。残りは短いが、38年間の感謝を込めて接客したい」と語っている。(竹内雅紀)
店舗入り口脇の4カ所に設置されたB1サイズのポスターは、赤を基調とし、残り日数の数字は黄色で目立つようになっている。この日は「松坂屋岡崎店 閉店まで あと10日」と表示され、ポスターに目をやりながら店内に入る買い物客らもいた。数字は毎日入れ替えられ、最終日の31日は「本日 最終営業日」と表示される。同店は「全館閉店最終売りつくし」と銘打ち、31日まで休まず営業する。
牛革のハンドバッグなどが1,050円で販売されている1階の売り場では、午前10時の開店時から主婦らが殺到し、激しい“争奪戦”で熱気ムンムン。従業員は「押さないで」「慌てないで」と注意しながら「これが38年間の感謝の気持ちです」と威勢のいい声を張り上げていた。妻の付き添いで来たという60代の男性は「あとちょっとで本当に終わりなんだね。何だか寂しいな」と閉店を惜しんでいた。
5階大催事場では、有名ブランド婦人服のアウトレットバーゲン、ほかの階でも婦人服や家具、アクセサリーなどの特価セールが行われている。また、地下1階では北海道の人気商品を集めた「北海道の味めぐり」が展開されている。
同店は、昨年11月26日の「閉店セール」開始以降、来客数は前年同期の約1.5倍、売上高は約2倍と盛況。担当者は「格安で豊富な品ぞろえをして、お待ちしております」と、最後の来店を呼びかけている。