岡崎市美術博物館で21日、企画展「三河の禅林」が始まる。同市片寄町の天恩寺など主に三河地方の臨済宗寺院の至宝約100件を一堂に展示。三河の禅文化や禅宗寺院と武家をめぐる歴史などを紹介する。
達磨(だるま)を始祖とし中国で発展した禅宗は、鎌倉時代に日本に伝わり、精神的な支柱として武家社会で積極的に取り入れられた。特に臨済宗は全国に普及し、三河でも足利一族の進出などにより寺院が次々と建立され、足利、吉良、今川、徳川家など有力武家の宝物が多く奉納されている。
今回は天恩寺、実相寺(西尾市)、花岳寺、華蔵寺(ともに吉良町)、長興寺(豊田市)などの寺院に所蔵されている絵画や書、仏像、経典、工芸品などを展示。4月に発見された天恩寺本尊地蔵菩薩坐像の胎内にあった文書や仏舎利などが初公開される。
来年1月17日まで。入場料は一般600円、小中学生300円。各種障害者手帳の交付を受けている人とその介助者、市内の小中学生は無料。