岡崎市恵田小学校の原田康司教諭(28)が、腎臓がんと闘い余命半年の危機を乗り越え、命の大切さを訴えるシンガー・ソングライター杉浦貴之さん(38)=同市福岡町=の生き方に感銘してオリジナル脚本「メッセンジャー―命・ありがとう」を執筆。14日の学芸会で受け持ちの6年生27人が上演する。
原田さんが杉浦さんのことを知ったのは今年8月の民放番組「24時間テレビ」だった。「余命半年と宣告されながら、がんを克服して命の大切さを訴える杉浦さんが輝いて見えた。杉浦さんの生き方を子どもたちに知ってもらいたいと脚本に書いた」
番組を見終わったあと、杉浦さんと連絡を取り、劇化の許可をもらって執筆に取り掛かった。杉浦さんが編集長を務める命の情報誌「メッセンジャー」から情報を得てストーリーを考えた。ときどき電話で杉浦さんからアドバイスをもらいながら1カ月半で完成。10月末から本格的に稽古(けいこ)に入った。
物語は28歳の杉浦さんが、がんの宣告を受けて悩む姿。父母の愛に応えて生きようと努力する姿。「ホノルルマラソン」に挑戦、完走して生きていることを感謝する姿を通して命の大切さを訴える。
フィナーレで全員が歌う「ラブソング―ありがとう」やBGMで杉浦さん自作の3曲が使われる。
原田さんは「子どもたちは稽古を重ねて杉浦さんに共感し、小学生最後の劇を成功させようと気持ちを盛り上げている」と手ごたえを感じている。
同劇の上演は14日午前11時30分ごろの予定。問い合わせは同校(45―2225)へ。