幸田町の特産品「筆柿」の出荷が17日、始まった。
筆柿は、1つの木に甘柿と渋柿がなる不完全甘柿で、形が毛筆に似ていることから名が付いた。ほかの柿に比べて熟すのが早く、ひと足先に秋の味覚を味わえるのが特徴。町内の79戸で生産され、近隣の西尾、幡豆、吉良の3市町と合わせた出荷量は全国シェア95%を占める。
今年は、全体量は豊作だった昨年の75%と少なめで渋柿の割合が48%と高いが、甘柿の甘味と大きさは上出来という。同町長嶺の中村信吾さん(67)は「ちょっと少なめだが、あと10日もすれば色づきも良くなって収穫のピークを迎える」と答えている。
同町六栗のJAあいち三河幸田営農センターに持ち込まれた筆柿は、光センサーによる選別機などで仕分けられ、約10個ごとに袋詰めされた。初日のこの日は、約4トンを出荷した。
主な出荷先は、関東、 関西、 中京エリア。10月末まで計約750トンが出荷される。町内では、道の駅(筆柿の里幸田)と憩の農園で購入できる。