「政権選択」を争点にした第45回衆議院議員総選挙が18日、公示され、30日の投開票を目指し、12日間の選挙戦に突入した。愛知12区(岡崎市、西尾市、一色町、吉良町、幡豆町、幸田町)では、予想された後神芳基(諸派新)、八田廣子(共産新)、杉浦正健(自民前)、中根康浩(民主元)の4氏が立候補。各陣営は県選管への立候補を届け出たあと、岡崎市内で出陣・出発式を開いた。杉浦氏は自民党の重複立候補の年齢制限(満73歳以上)により、比例東海ブロックの名簿に記載されていない。愛知11区(豊田市=旧稲武町を除く=、三好町)は、古本伸一郎(民主前)、土井真樹(自民前)、中根裕美(諸派新)の3氏が立候補した。
後神候補は午後1時40分から、岡崎市柱曙3の選挙事務所で出陣式。
青色のポロシャツを着た支援者ら約50人を前に「日本を良くしていきたい。この国を本当に豊かで、一人一人が誇れるような国にしたい。選挙については素人かもしれないが、世の中を良くしたいという純粋な思いは負けない。幸福な人を増やして世界を変える『幸福維新』を実現したい。この国の自由と繁栄を守るには、不況から脱却するための消費景気拡大と北朝鮮などの軍拡の脅威から守ることが必要。12日間、誠心誠意戦い抜く」と熱っぽく訴え、最後にガンバロー三唱で締めくくった。
出陣式後、足早に街宣車に乗り込み、岡崎市内を回った。
八田候補は午前11時、岡崎市広幡町の選挙事務所前で第一声。「国民が主人公の政治に変えよう」と訴えた。
政見放送録画撮りの際、手話通訳者に後期高齢者医療制度をどう訳すのか尋ねた。「『人生最後の医療制度』と表すそうです。人間の尊厳を踏みにじるこんな制度はやめます」
また「国民の命と暮らしを守る政策」の財源は、「大企業とお金持ちに税金を普通に負担してもらう」「軍事費の削減」と「大型公共事業の見直し」により確保できると強調。若い人が未来に希望を持てる雇用、憲法九条を生かした平和外交などを推進するとした。
このあと岡崎市役所前で街宣、名古屋で比例東海ブロック候補者の出発式、夜は岡崎で個人演説会を開いた。
杉浦候補は4候補の先陣を切って午前9時から、岡崎市坂左右町のJAあいち三河本店で出陣式。赤いTシャツ、ハチマキ姿の支持者ら約2000人が集まり、県議、市議、各支援団体らが激励に駆け付けた。
杉浦候補は高齢を指摘する声を、「元気いっぱい。活力を持ってまだ役立てる」と一蹴し、インフラ整備など23年間の実績を強調した。一方では、年齢的に「最後の選挙になる」と明言。「これまで貢献できたことを誇りに思うが、水害対策などまだ残っている課題に真剣に取り組ませていただきたい」と訴えた。
杉浦候補はこの後、西尾市、吉良、幸田両町でも出陣式を行い、岡崎市内6カ所で個人演説会を展開した。
中根候補は、午前10時から岡崎市滝町の選挙事務所で出発式。柴田紘一岡崎市長、榊原康正西尾市長や直嶋正行民主党政調会長、地元市議、県議、支持母体の連合愛知ら約2000人(陣営発表)が駆け付けた。
青色のワイシャツにベージュの綿パン、オレンジ色のはちまきをした中根候補は「落選後の4年間はしっかり勉強させてもらった。この大切な経験を国会に届けたい。愛知12区は政権交代の命運を懸けた選挙区。日本の政治を変える。背水の陣で臨む今回の選挙は、官僚任せの政治から暮らしを大切にした政治に変えるため全力で戦う」と力強く述べた。
第一声後、谷岡郁子参院議員とともに街宣車で岡崎市中心部へ繰り出した。