東海愛知新聞バックナンバー

 3月4日【水】

蒲郡競艇から撤退

目的達成、市長が表明
岡崎市

岡崎市は、蒲郡市に委託して行ってきた競艇事業から、平成22年3月31日をもって撤退する。3日、市議会3月定例会の代表質問で、山本雅宏議員(自民清風会)の質問に対し、柴田紘一市長が明らかにした。

昭和30(1955)年に国の戦災復興事業として認可を受けてから54年が経過。蒲郡市は蒲郡競艇場の売り上げのうち1%を岡崎市に分配してきた。

しかし4年前に分配の算定方法を改正。一昨年にも蒲郡市側から再度、算定の見直しを求める声が上がり、両市で協議してきた。分配金額は減収が拍車をかけ、平成3年の8億3,000万円をピークに年々低下していた。

同競艇場の売り上げは、全国24の競艇場で初のオールナイター営業を始めた平成18年から持ち直したが、他の2競艇場が今年から相次いでナイターレースに参入。この影響で売り上げの落ち込みが予想されるほか、若者の競艇離れ、舟券購買客の高齢化、景気後退による購入単価の低下などの厳しい見通しから、岡崎市は「事業の継続は困難」と判断した。

また昭和40年代に建設された競艇場施設も数年先の改修が見込まれ、改修費用の負担や災害による賠償責任の可能性も事業撤退を後押しした。

同市は「戦災復興事業として競艇事業の目的は十分達成され、総合的に判断する中で撤退を決めた」としている。

岡崎市議会3月定例会は3日、本会議を再開。代表質問に入り、山本雅宏(自民清風会)と原田範次(ゆうあい21)の2議員が登壇した。

東岡崎周辺事業展開と概算費用

山本議員が、東岡崎駅周辺整備事業の今後の展開と概算事業費についてただした。

柴田紘一市長は「今月までに、見直しした新たな整備方針を決定して全体整備計画の策定に取りかかり、今年の夏ごろまでには公表していきたい。その際に、個別の事業については事業主体、事業費、整備内容などの事業計画案を公表し、今年秋ごろには平成24年度を目標とするバリアフリー化と東改札口設置、駅前広場拡張用地の取得を主要成果とする短期的整備事業の着手へとつなげていきたい」と答えた。

そのうえで、「昨年公表した当初整備計画案通りで仮に事業化した場合、先進事例などを参考に積算すると、おおむね180億円程度の全体事業費規模になると試算している。実際の全体事業費は今後、事業計画を詰めながら事業内容を確定させ、それぞれの段階で時点修正し、公表していきたい」と述べた。

バイオマスタウン 構想の取り組みは

また山本議員は、バイオマスタウン構想に取り組む考えについて尋ねた。

林義伸企画政策部長は「バイオマスタウン構想の狙いは生ごみ、家畜排せつ物や木くずなどの再資源化を進め、廃棄物の発生と天然資源の消費を抑制した循環型社会の実現にある。しかし、家庭から出される生ごみや食用油は、クリーンセンターで発電エネルギーとして再資源化しているが、事業活動から発生する家畜排せつ物、木くず、一般廃棄物以外の食品残さなどは、産業廃棄物としてそれぞれの事業者がその責任において処理しており、再資源化の実態までは把握できていないのが現状だ」とした。

さらに、「今後、バイオマスの発生源とその種類を把握し、関係する事業者または団体を特定し、活用できる技術・方法などを検討したうえでバイオマスタウンに取り組むことによって何が実現できるのか、どのような手段・方法が必要なのか、それを誰が主体となって行うのかなど、基本的な考え方を整理しながら実現の可能性を探っていきたい」と述べた。


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