岡崎市は19日、平成21年度当初予算案を発表した。急激な景気後退が響き、歳入見込みを2度にわたって下方修正した結果、一般会計は前年度当初に比べ0.5%減の1,102億9,000万円。特別会計は16会計で819億3,570万円(3.7%減)、企業会計は311億6,980万円(5.4%増)で、3会計の総額は2,233億9,550万円。市は「安心して暮らせるまちづくり予算」と位置付けている。
市は昨年から、事業の繰り延べなどで投資的経費11%と経常的経費3%の削減を図ったほか、財政調整基金42億円の取り崩し、臨時財政対策債31億円の借り入れで歳入不足を補てんする。
一般会計の歳入では、市税が636億5,383万円と、前年度当初比6.4%減。半数近くを占める市民税では個人が260億3,979万円で1.6%減、景気後退の影響から法人は33億9,526万円と、52.1%減の大幅な落ち込みを見込んだ。
また国庫支出金は新一般廃棄物中間処理施設の建設で99億7,225万円と21.5%増。繰入金は財政調整基金をはじめ、新一般廃棄物中間処理施設建設や竜美丘会館施設整備に伴う環境施策推進基金、文化施設整備基金の活用で19.9%増の63億3,098万円。
市債は市税減収の補てんなどのために増額した臨時財政対策債などにより、54.3%増の81億1,100万円となっている。
歳出では、退職手当減により人件費が2.6%減の196億5,748万円。扶助費は児童手当や生活保護費などで3.3%増の172億3,431万円となった。補助費は妊婦・乳幼児健康診査負担金や中小企業事業貸金等保証料補助金95億3,362万円と7.9%増。
厳しい財政状況の一方で、災害復旧事業費は昨年の8月末豪雨による災害からの完全復旧を急ぐため、三河橋の架け替えなど142.9%増の1億7,000万円を計上した。
特別会計では、後期高齢者医療制度への移行に伴い、老人保健特別会計が92.8%減の1億6,219万円。
企業会計のうち、病院事業は3.3%増の191億5,201万円を見込み、医療スタッフの確保や地域医療の支援などに努める。水道事業は8.9%増の120億1,779万円。
新規事業は次の通り。