岡崎市と市交通政策会議は“交通空白地域”の下山地区で3月2日から1年間、住民らの足となる「乗り合いタクシー」を実証運行する。車両は9人乗りのワンボックスカーで、土日と祝日を除き、市民病院や岡崎げんき館、北部診療所、豊田市大沼町のAコープ下山店、学区循環ルートなど経由地の変わる日替わりルートで運行する。
同地区には198世帯735人が暮らす。しかし公共交通機関がなく、鍛埜町にある最も近いバス停「土(ど)」でも直線距離で2キロから3キロあり、バスに乗るにも車での送迎を余議なくされていた。
住民らは昨年 6月、公募市民を交えた対策委員会を設立。高校生以上に実施した住民アンケートの結果から、運行内容をまとめた計画案を作成した。下山小学校で盛んなササユリの栽培・保護活動から「ささゆりバス」と命名、運行を樫山町の運輸会社に委託する。
ダイヤは午前6時45分から午後4時20分で、運賃は200-500円(小学生―高校生は半額)にした。
対策委員会では間伐したヒノキで高さ1.8メートルのバス停を作り、地区内10カ所に設置。2日はJA下山出張所で、児童らも参加してテープカットなどで運行開始を祝う。