東海愛知新聞バックナンバー

 2月14日【土】

生理研に初の女性教授

子育てしながら研究
大阪出身・吉村さん赴任

自然科学研究機構生理学研究所(岡崎市明大寺町)に今月1日、同機構で初の女性教授となる吉村由美子さん(42)=大阪府枚方市出身=が赴任した。大阪大学総合科学部(現・理学部生物学科)を卒業し、子育てに励みながら研究に取り組んできた経験から「女性も育児しながら研究できることを発信したい」と話している。

吉村さんは同大卒業後、同大学院医学研究科博士課程を修了。名古屋大学環境医学研究所の視覚神経科学分野で助手、助教授、准教授を務めた。生理学研究所では生体情報研究系神経分化研究部門に配属された。

専門分野は脳を支える大脳皮質の神経の働きと発達で、脳内の視覚部位「視覚野」の神経のつながり方や機能を研究している。これまでに脳内で神経を伝達する神経細胞のつなぎ目「シナプス」ができる法則を発見。4年前に学術雑誌ネイチャー誌、2年前にサイエンス誌に論文を発表している。

研究と両立して育ててきた長女(10)は現在、小学4年生。吉村さんは「一生懸命で、大変だと思う暇もなかった。家族の協力がなければできませんでした」と振り返り、「生後の環境が脳に影響する仕組みを研究したい。脳卒中に有効なリハビリ方法の確立につながればと思います」と抱負を述べた。


<<インデックスへ  | <<前日のニュースへ

HOME