東海愛知新聞バックナンバー

 1月17日【土】

死亡事故 最少の9件

昨年 新しい抑止対策を実施
企業や地域住民も協力
岡崎署管内

岡崎署管内(岡崎市、幸田町)で発生した交通死亡事故の件数が昨年、現行の警察制度が始まった昭和29(1954)年以降、最も少ない9件だった。同署管内は、平成18,19年と交通事故死者が全国の警察署の中で2年連続ワースト1だった。このため昨年は自治体や企業、地域住民らが協力して、事故の実態に着目した新しい抑止対策を実施。交通事故死者数は前年対比マイナス12人と大幅に減少した。

主な対策としては、管内で従業員数が1,000人を超える7企業が、通勤経路の見直しや調査、監視などを徹底し、通勤車両が生活道路(裏道)を通らないように指導した。

また、高齢者の交通事故死者の多くが、老人会に参加しておらず、コンビニエンスストアへの行き帰りに事故に遭っていることから、従来の老人会での交通安全教育のほか、管内のコンビニ店35店舗の協力で、署長委嘱の「高齢者交通安全ステーション」を設置。高齢者への反射材の配布と店員による交通安全についての声掛けなどが行われた。

岡崎市も、高齢者の移動手段として市中心部を巡回する「まちバス」、主要駅や病院、スーパーなどを結ぶ「岡崎拠点快速バス」所への安全対策費として1,100万円を予算化して、道路形状の変更をはじめ、カラー舗装やカーブミラー、道路照明の設置などの改善に努めた。

今月9日に行われた警察署感謝状贈呈式で岡田仁署長は「関係機関、地域のご尽力を得ながら、地道な各種対策を行ってきた結果であると心から感謝している。9件9人の犠牲者があったことは心痛むことだが、これからも対策の手を緩めることなく、交通事故の減少に努めていきたい」と話した。


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