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東海愛知新聞

災害への備え強化

岡崎 昨年の大雨から間もなく1年

昨年6月2日に岡崎市内などを襲った大雨から、間もなく1年となる。今年ももうすぐ梅雨の時季。市の大雨対策はこの1年でどのように変わったのか。各担当部署を取材した。 (犬塚誠)

大雨は昨年6月2、3の両日に台風2号が日本の南から東北東に進み、暖かく湿った空気が梅雨前線に流れ込んだことで起きた。本宿町にある市の雨量観測所では最大累積雨量が386ミリに達し、1時間の最大雨量は64.5ミリを記録した。乙川やその支流が氾濫したことから、東部を中心に計391棟が浸水。土砂崩れにより住宅4棟が被害を受け、道路損壊は233カ所に上った。

「水位が上がるのはあっという間。適切な避難情報を出すためには、各所から寄せられる膨大な情報を瞬時に判断しなければならない」と語るのは市防災課の担当者。同課では大雨の後、災害対策本部に「情報分析グループ」を立ち上げた。情報を整理する一団で、状況に合った避難情報を素早く発信できるようにした。

ハード面では保母町の鉢地川に架かる御蔵橋周辺に「危機管理型水位計」と、水位を監視するカメラを1台ずつ設置した。従来、橋の周辺での被害は想定されていなかったが、昨年の大雨では鉢地川も氾濫した。水位計は一定の水位を超えると観測を開始するもの。カメラの映像と合わせて、避難情報を出す際の判断材料とする。水位情報やカメラ映像は、インターネット上でも公開されている。水位計と監視カメラの設置費用は計約750万円。

登下校のルール

市教育委員会では本年度、警報が発令されていなくても、被害の発生が想定される場合の登下校に関するルールを策定した。

児童生徒が居住する地域などの災害状況に応じて、校長が登下校の可否を判断する。安全に登校できなかったり、通学距離などで帰宅が困難であったりする場合には、登下校させずに自宅や校内で待機させる。下校時は、必要があれば保護者へ迎えの依頼もする。

市教委によると、これまでは警報が発令されていなくても授業中であれば、休校したり、授業を中止したりできるようにしていた。ただし、登下校に関する明確なルールはつくっていなかった。市教委は「児童生徒の安全を確保するための対応。昨今頻発する自然災害を鑑みた」としている。

中根康浩市長は今年5月21日の定例記者会見で、大雨から1年を迎えるに当たり「今までの東海豪雨や平成20年8月末豪雨、昨年の6月豪雨などでの経験は、十分生かしていかなければならない」と所感を述べた。その上で「日々災害に対する備えは強化されているものと思っているが、想定を上回るのが自然災害の常。備える気持ちを持ち続けたい」と語った。

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