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東海愛知新聞

SPC解散で暗礁へ

太陽の城跡地整備事業

岡崎市は2月28日、同市明大寺本町の太陽の城跡地にコンベンション施設建設や民間事業者運営ホテルを誘致する事業で、契約に向け市が協議を進めてきた優先交渉権者の特別目的会社(SPC)「岡崎リバーリンク株式会社」の解散に伴い、事業の協議中止を発表した。組織の存続が困難としてSPCから協議中止の申し入れがあった。何度か計画が変更された同所での事業はまたしても暗礁に乗り上げた。(横田沙貴、竹内雅紀)

市企画課などによると、同事業は内田康宏前市長が推進していたが、2020年の市長選で当選した中根康浩市長が事業中止に向けた協議を開始。しかし、その後に方針を転換し、市民の意見を聞くとして事業を一時凍結し、新たな施設の概要を取りまとめた。元々会議や研修、見本市といった利用を視野に入れたコンベンション施設等だったが、市民の交流拠点としての機能が大きくなり、大幅に内容が変更された。

市は変更案での実施をSPCに打診し、定期的な会議を行ったが、SPCが口頭で解散の意思を示し、今年2月24日に正式に市に通達。市は28日に市議会全員協議会を経て協議中止を公表した。

SPCは同日、コメントを発表。「新型コロナウイルス感染拡大の収束が不透明なことや物価や賃金の上昇、戦争による世情不安などの影響から、ホテル等民間収益施設事業者代表企業(三菱地所株式会社)をはじめ、他の構成企業が撤退を判断し、SPCの存続が難しくなり、協議中止の結論に至った」としている。

市は今後、中止に向けた協議を進めるとともに、コンベンション施設等整備事業の次点交渉権者であるスターツコーポレーション株式会社が代表企業を務めるスターツグループに事業実施の意思を確認する。しかし、応募時の提案と大きく事業内容が異なるため、辞退も考えられる。その場合は、募集要項等を見直して新事業者を募る。事業の根幹となる基本方針・実施方針の見直しについて市は「今のところ考えていない」としている。

同事業費は当初約80億円とされていたが、22年9月時点では事業内容変更や物価高騰などの影響でさらに40%ほどの追加を見込むという。また、市政方針の変更による中断で市はSPCに既に4275万円の損害賠償金を支払っている。今後さらなる賠償請求の可能性はあるが現状ではSPCからの請求はないという。中根市長は「契約協議が中止となることでコンベンション整備が延びることは残念」とコメントした。

また、乙川に架かる桜城橋と同橋北東の橋詰広場などに飲食店やトイレなどを設置する事業についても中止になる。事業を実施する予定だった企業グループの代表である三菱地所株式会社が太陽の城跡地のホテル事業から撤退を決めた影響により、同橋周辺の事業は事実上白紙になった。

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