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東海愛知新聞

地域に愛され半世紀

岡崎市羽根町の喫茶啄木鳥 11日で閉店

地域に愛され半世紀―。岡崎市羽根町の喫茶啄木鳥(きつつき)が11日の営業をもって閉店する。1970(昭和45)年のオープンからJR岡崎駅周辺で常連客の心と体を温めて続けてきた個人店。店主夫妻は感謝の気持ちを込めて最後の1週間に臨む。(竹内雅紀)

店主の都筑公郎さん(79)は康生地区にあった喫茶店「阿蘭若(あらんにゃ)」(2008=平成20=年2月に閉店)で5年間修業した後、20代半ばで独立。店名の「啄木鳥」は修業先の“師匠”に命名してもらった。「小さい店だったので、かわいらしい店名をということで動物の名前が入った」

岡崎駅東で30年間営業した後、もともと服部工業の社宅だった現在地(エフエムEGAOのスタジオ北側)に移転した。「オープンしたころは4人掛けの所に6人座ったり、床に段ボールを敷いてでも座りたいという人もいたりして忙しかった」と振り返る。常連客の中には店付近の日本語学校に通う外国人も多く、気さくな人柄が人気の公郎さんの妻裕子さん(76)は「日本のお母さん」として親しまれたという。

閉店理由は建物の老朽化。「自分たちの体は大丈夫だけれど、建物の安全面を考えると仕方がない。常連さんと話していると、泣きそうになる。店にもお客さんにも愛着がある。新型コロナウイルス感染拡大の影響でここ数年の営業は苦しかったが、何とか乗り切った」と公郎さん。裕子さんは「寂しいけれど決めたこと。『本当にありがとうございました』の一言に尽きる」と言葉を絞り出す。常連客の男性(78)は「これから行く所がなくなってしまう。マスターもママさんも気さくな人で何でも話せた」と笑顔で語る。

日曜定休。営業時間は午前8時〜午後7時。問い合わせは、同店(51―6716)へ。

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