名古屋鉄道は29日、名鉄東岡崎駅の再開発計画を発表した。「岡ビル百貨店」(駅ビル)があった北口には、鉄骨8階建ての複合施設、南口には鉄骨3階建ての商業施設を建設する。北口の施設は2029年度内、南口の施設は23年度内の完成を目指す。(横田沙貴)

計画の概要は、北口は約6000平方メートルの敷地内に延べ床面積約1万3000平方メートルのビルを建設。商業やオフィス、公益施設を主な用途とする。今後は現在の駅ビルを解体後、27年度内に着工予定という。また、北口バスターミナルの再整備も進め、交通結節点としての機能強化も図る。

南口は、約1200平方メートルの敷地内に延べ床面積約3000平方メートルの商業施設を主な用途とするビルを建てる。同社が拠点駅に開設している駅直結型の商業施設「ミュープラット」を設ける予定で、駅利用者や周辺に暮らす住民を主なターゲットになるという。名鉄セントラルフィットネスクラブ東岡崎があったビルの解体工事が完了後、22年度内の着工を目指している。同社広報部は「生活利便性の向上に寄与する施設にしたい」と述べている。

同社によると、同駅の再整備計画のコンセプトは「『SWING HIGAOKA』―この街の躍動的なリズムをリードする」。岡崎が“ジャズの街”として知られていることに由来しており、人の流れをリズムと例え、駅の施設を起点とした躍動的な人の流れをつくることを狙いとしている。同市とは昨年11月に駅舎と駅ビルの事業区域や整備スケジュールなどを定めた基本協定を締結済み。整備計画はQURUWA戦略(乙川リバーフロント地区公民連携まちづくり基本計画)との連携も考慮されているという。