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東海愛知新聞

地域に愛され56年

美合町の伊藤精肉店が年内で閉店

岡崎市美合町の「伊藤精肉店」が31日、56年にわたる営業を終える。地域住民らに愛され、子どもたちの社会見学なども受け入れてきた同店。伊藤勝治店主(82)は「お客様が来てくれたからこそやってこられた。感謝したい」と感慨深げだ。()

同店は1965(昭和40)年1月1日、同市蓑川町にあったスーパーのテナントとして開業した。その後、89年に現在地に移転。以降33年間、妻みのりさん(78)らと営業を続けてきた。

移転後は、近くにあった紡績工場の従業員や近所の主婦らの“台所”として繁盛。こだわりの国産肉を使ったメンチカツやコロッケ、「1日に50キロ売り上げることもあった」という唐揚げなどが人気を集めた。店内にいくつも置かれた待合用の椅子は、味の確かさを示す何よりの証拠だ。

また、10年以上前からは同市緑丘小学校児童の社会見学先となったり、同市竜南中学校の教員が駅伝部への差し入れを購入したりと子どもたちにも親しまれる店に。こうした縁もあり、現在店内には閉店を聞きつけた両校の児童、生徒による感謝の寄せ書きも貼られている。

伊藤店主によると、閉店の理由は「年齢」。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、店頭の売り上げが4〜5割減ったことも店じまいを決めるきっかけになったという。

同店最後の特売日となった22日には、多くの客が来店。「唐揚げ1キロお願いします」「レバーを細かく切ってください」などの注文に、伊藤店主らが笑顔で応じた。

約30年来の常連客という女性は「(同店は)細かな注文まで聞いてくれ、奥さんとのおしゃべりをしながら待つ時間も楽しみだった。(閉店は)とても残念」としみじみ語った。

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