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東海愛知新聞

当選4人とも4期目

衆院選振り返り 本紙関係分の3選挙区

10月31日に投開票が行われた第49回衆議院議員総選挙は翌11月1日に全議席が確定した。本紙関係分の3選挙区では、比例復活も含めて4人が当選。いずれも2012(平成24)年初当選の4期目となる。衆院解散から5日後に選挙戦に突入した短期決戦を振り返る。()

【愛知12区】

立民への嫌悪感

前職同士の一騎打ちとなった愛知12区(岡崎・西尾市)は、立憲民主党の重徳和彦氏(50)が自民党の青山周平氏(44)を破り、選挙区3連勝を果たした。前回は4万5000票差の完勝だったが、今回は約1万4000票差。得票数は前回より約7000票減らした。

隣接区でのトヨタ労組出身候補者の不出馬や、共産党が加わった野党共闘による影響が懸念された労組票。選対幹部は「影響はゼロではないが、12区では過去2回『重徳和彦』と名前を書いてきた。検証する必要はあるが、労組票が大きく相手に流れたとは思っていない。むしろ、労組以外でこれまで支援してきた方の立民への嫌悪感や共産党と手を組んだという印象が票離れにつながったのでは。立共(立民と共産)とやゆする人もいたほど」と分析する。

電話作戦でも立民批判が多かったという。「保守政治家の重徳氏が左寄りの立民というのが納得できない有権者も一定数いた」と選対幹部。重徳氏は選挙期間中に「党ではなく、重徳和彦という個人で判断して」「野党を変える」といった発言もあり「4選すれば党内で発言力が増す。党内改革を」と意気込んでいた。隣接区には枝野幸男代表が応援に入ったが、12区には入らなかった。重徳氏は昨年の代表選で枝野氏の対立候補の推薦人に名を連ねた。党内では若手の政策グループ「直諫(ちょっかん)の会」を束ねる。今後の党内での動きに注目だ。

候補者擁立を見送った共産党。選挙区は自主投票だったが「多くの人は重徳氏に投票した」と関係者は語る。「自前候補がいないため盛り上がりに欠けた。(重徳氏への)積極的な支援もしていない。特に応援要請もなかった」と明かす。

善戦も正念場

「敗れたが善戦した」(青山氏の選対幹部)。前回は比例復活もならず惨敗だった。「やり方を変えなければいけない」との反省から、今回は街頭演説1本に絞った。新型コロナウイルス感染拡大の状況下でもあり、保守特有の夕方以降の個人演説会は全てやめた。減量して見た目も変え、動きやすいカジュアルな格好、小回りの利く3輪の小型車での移動など斬新なスタイルで臨んだ。選挙事務所の紅白幕や必勝鉢巻きもやめた。「とにかく変えなきゃと思った。今までは内向きの選挙。もっと外に出て顔を売るべきと考えた」と青山氏。

今回の手法は「44万人の有権者を対象にした国政選挙だから」とこだわった。中盤で選対から戦法変更の提案もあったが「やり方を以前のように戻してはいけないと思った」と思いを貫き通した。結果として、自身過去最高得票数を記録。惜敗率は89.8%で自民の比例東海ブロック当選者の中で最上位だった。

しかし、重徳氏には3連敗。保守層や、推薦を出す公明党の票の一部が重徳氏に流れる傾向がある。選対関係者は選挙前に「自民支持層の7割は確実にまとめたい」としており「10年前の愛知県知事選で、自民推薦で出馬した重徳氏には、一定の保守票が行く。その切り崩しは簡単ではない」と理由を挙げた。公明関係者も「懸命に(自民への協力を支持者に)呼び掛けるが、一部は相手に流れる」と嘆く。

岡崎では昨年の市長選に続く連敗の自民。選対幹部は「確かにそういう見方もある。正念場だ」と言葉を絞り出した。

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