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東海愛知新聞

水害には要注意

13年前の体験を教訓に

夏の豪雨災害―。近年は梅雨後半の7月上旬以降に全国各地で大雨による災害が頻発している。「異常気象」の一言では済まされず、この地域も13年前の「平成20年8月末豪雨」のような災害がいつ起きても不思議ではない。今年のお盆は多くの地域で雨予報。台風シーズンとも重なるため要注意だ。 ()

1時間当たりの降水量が152.5ミリ(岡崎中央総合公園の雨量計)を記録し、2人が死亡した「平成20年8月末豪雨」。「ゲリラ豪雨」とも呼ばれた短時間の局地的な大雨により、一部の河川が氾濫し、同市や幸田町に甚大な被害を及ぼした。

浸水警報装置

災害後には河川改修が進められた。また、地形の関係で内水氾濫などが起きやすい市内15カ所には浸水警報装置が設置された。同装置は路面水位の上昇など異常を感知した際に2段階でサイレンが鳴り、周辺住民に知らせる。場所によって設定水位は異なるが、低い方の第1段階(床下浸水や車両浸水が予想される水深に達した時)はサイレン10秒・休止5秒を5分間繰り返す。高い方の第2段階(床上浸水が予想される水深に達した時)は5分間連続でサイレンが鳴る仕組みだ。

同市伊賀町の彦坂圭佑さん(85)は「サイレンが鳴るたびに、あの時の記憶がよみがえる」と言う。「あの時」は13年前のこと。床上浸水で隣人が逃げ遅れて亡くなっている。「助けが必要な場合は119番通報するが、できればサイレンが鳴った時点ですぐにでも助けに駆け付けてほしい」と切望する。

自家用車の浸水を2階から確認

彦坂さんの自宅は、広幡小学校の東を流れる伊賀川と主要地方道岡崎足助線の間にあり、すり鉢状の地形の底に当たる場所。1963(昭和38)年から暮らす彦坂さんによると、たびたび冠水はあったという。かつては消防団などの協力により、排水したが「最近の降り方は尋常じゃない。13年前はその典型」。当時は伊賀川の水があふれて、住宅地に流れ込んだ。豪雨後には仮設ポンプで排水機能の向上が図られたが、それでも今年7月の大雨で自家用車が浸水。彦坂さんは避難した2階からその様子を目視した。

不安感じたら通報

市防災課によると、浸水警報装置のサイレンが鳴ると、防災緊急メール「防災くん」が反応するため、状況は把握できる。ただし、「救助要請(119番通報)があれば消防車が出動し、人命救助のための排水は行うが、サイレンが鳴ったら自動的に出動というのは困難」としている。大雨警報などが発令されると設置される災害対策本部においても、通報がないと全ての事例を把握するのは難しいという。浸水被害の件数も内容確認などにより、公表時にずれが生じることも。「不安を感じたらまずは通報を。周辺が冠水していたら2階などに避難してほしい」などと呼び掛けている。

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