死者3人増の11人
岡崎署管内 昨年の交通事故情勢
2019年に交通事故死者数が17年ぶりに全国ワーストを脱却した愛知県。昨年1年間の死者数は154人(前年比2人減)で、2年連続でワーストを脱した。岡崎署管内(岡崎市、幸田町)の死者数は11人で3人増加し、県内の署別でワースト2位だった。(髙木駿太郎)
同署交通課によると、昨年の人身事故件数は1268件(350件減)、死傷者数は1469人(412人減)。死者数は19年に1948(昭和23)年の統計開始以来最少数を記録したが、昨年は2年ぶりに2桁に戻った。なお、新型コロナウイルス感染拡大による交通量の変化などが事故に影響したかは明らかにしていない。
しかし、月別の人身事故発生件数でみると、緊急事態宣言期間中の4月は62件(前年同月比99件減)、5月は77件(同61件減)。4月は61.5%減、5月は44.2%減と大幅に減っており、交通量の減少が影響していると考えられる。また、愛知県が独自に緊急事態宣言を発令した8月は89件(同38件減)で死者は月別最多の3人だった。
人身事故の内訳は子ども(0〜6歳)が67人、若者(16〜24歳)242人、一般(25〜64歳)960人、高齢者(65歳以上)200人と一般が大半を占めているが、死者になると高齢者が6人と半数を超えている。
昨年は道路を横断中の歩行者や自転車の運転手が乗用車にはねられて死亡する事故が目立ち、同課は「市民の交通安全の意識の向上が急務」と危機感を募らせている。
そのほか、飲酒運転による人身事故件数は5件(前年比7件減)。学区別の交通事故死傷者数では羽根学区が88人で最も多く、根石学区(75人)、広幡学区(64人)と続く。
同署はこのほど、昨年の交通事故情勢や、管内が恒常的に県内で交通事故死亡者数が多いことなどを鑑みて今年1年間の活動方針を決めた。
主要幹線道路での立哨活動や速度超過、通学時間帯の交通規制違反の取り締まりを強化するほか、取り締まり場所を愛知県警公式アプリ「アイチポリス」に表示することで、市民の交通安全や速度に対する意識向上を図る。
また、管内での渋滞の多発が運転手のストレスやイライラになり、危険運転につながっていると考え、現地調査を行った上で、通勤時間中の右折時に渋滞が起きる場所は矢印信号の時間延長や、混雑が発生しやすい交差点の青信号の時間の延長などといった交通状態を考慮した信号機のサイクル変更を開始している。
同署は「交通安全に関心を持ってもらうための活動方針。最終目標は死者数ゼロ」と意気込んでいる。