東海愛知新聞バックナンバー
 9月9日【日】
■4年連続で最優秀
自作教材で文科大臣賞
ビデオ「心の扉を開く福祉」
岡崎市内教諭らの制作委員会
■“三河のエジソン”加藤源重さんに焦点

 岡崎市現職研修委員会の教諭らで構成する「自作教材制作委員会」のビデオ作品が、今年度の全国自作視聴覚教材コンクール(日本視聴覚教育協会主催)の中学校部門で、最優秀賞の文部科学大臣賞を受賞した。全国20県から計108点の応募があり、同市は4年連続で最優秀賞を受賞した。
 作品は中学3年生の社会科用教材として制作した「心の扉を開く福祉―『生活挑戦者』と共に生きる」。身体障害者用の自助具を独自に開発し、「三河のエジソン」と呼ばれている加藤源重さんに焦点を当てた。上映時間は13分40秒。
 紡績会社の機械担当として働いていた加藤さんは15年前、誤って右手の指を5本とも切断してしまった。生きる希望を失って約2年間、苦悩にさいなまれた。
 しかし「両手で食事がしたい」と自分用の自助具を開発する。それ以来、他の身体障害者から依頼を受けるようになり、技術に裏づけられた発想力で、これまでに千個以上の自助具を製作し、提供してきた。
 「健常者と障害者の隔たりをなくし、共生社会を実現していくためにはどうすればいいのか」という作品のテーマに対して、自作教材制作委員会は加藤さんの「生活挑戦者」という言葉に答えを見つける。同委員会は「視聴者に身体障害者を『ハンディキャップを持ったかわいそうな人』ではなく『より良く生きようと、毎日の生活に挑戦している存在』であることを気づかせたい」と訴えている。
 一方、作品について審査員は「障害を乗り越え、障害を持つ人のための自助具を作る生き方を追った作品は、小学校や高校でも使える教材に仕上がっている」と評価している。





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