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東海愛知新聞

130年余の歴史に幕

あす クリニックさいとう最後の診療

岡崎市伝馬通3の内科・胃腸科・整形外科の「クリニックさいとう」が31日で閉院する。1885(明治18)年開院の老舗。「まちなかのお医者さん」として親しまれてきた同院の閉院を惜しむ声もあるが、運営する医療法人周済会の齋藤孝夫理事長(80)は長年の愛顧や支援に感謝しながら、新天地での活動に意欲を燃やす。()

齋藤理事長によると、“医祖”は曾祖父の齋藤道四郎さん。明治維新の10年前に生まれ、内科の「齋藤医院」を現在地に立ち上げた。2代目の祖父・楢夫さんの代に皮膚科や泌尿器科を始め、3代目の父・孝平さんの代に現在の5階建ての建物にしたという。

齋藤理事長は整形外科医として1981(昭和56)年に2階で診療を開始。兄・道夫さん(82)は院長として1階で内科・胃腸科を受け持ってきた。かつて建物内には94年に始めた老人保健施設「ヴィラ葵」(50床)があったが、手狭になったことから2007年に竜泉寺町に移転。100床に増床した。これまで同施設に常勤していた医師が退くことになり、齋藤理事長が施設長として勤務(常勤)することになった。

昨年秋に「クリニックさいとう」の閉院を決め、年明けから患者や関係者に対して周知・案内をしてきた。道夫院長は近隣で甥が開業した内科に週2回(午前のみ)勤務する。閉院後は、建物を取り壊し同内科の駐車場になるという。

「もっと続けてほしいと言う人もいたが、事情により仕方ないこと」と齋藤理事長。最近では患者に閉院後の行き先(他院)を紹介する日々が続いた。「この辺りはバスの運行本数も多く、車が運転できない人にとっては交通の便が良い場所だったと思う。私が開業した時に比べると市内に整形外科が増えたし、内科や外科が細分化した。閉院は残念だが、医師としての道はまだ続く。ヴィラ葵でも頑張りたい」と静かに話し、あす午前中の“最後の診療”を迎える。

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