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 8月25日【金】

減災目標達成へ

岡崎市 地震対策計画への意見募集

岡崎市は、南海トラフ巨大地震の発生に備え、計画的な防災、減災、復旧・復興を図る対策として今年度中の策定を目指す「地震対策アクションプラン」の素案に対する意見(パブリックコメント)を、9月5日から10月5日まで募集する。計画期間は平成30〜36年度までの7年間。(今井亮)

素案は、平成26年5月に公表した愛知県と、翌年3月に公表した同市のそれぞれの被害予測に基づいて作成。減災目標は、想定される死者数最大約100人(冬の午前5時)を4割減の約60人、建造物の全壊・焼失棟数約3900棟を4割減の約2500人、避難所への避難者数約3万4000人を2割減の約2万6000人としている。

減災目標を達成するための個別の具体目標は、耐震診断や耐震改修補助などを活用して住宅の耐震化を現状の87.8%(27年)から95%(32年)に向上させる。また、現状420基ある耐震性防火水槽を毎年2基新設することなどを掲げている。

施策は防災、減災、復旧・復興に合わせた「命を守る」「生活を守る」「社会機能を守る」「迅速な復旧・復興を目指す」「防災力を高める」の5つの柱で構成。

  • 応急給水で必要になる水量を確保する計画作成や食料品の調達計画策定
  • 医薬品の備蓄・供給体制の強化
  • 行方不明者に関する相談体制の検討
  • 仮設住宅を建設するための建設候補地台帳の作成
  • 協定を結ぶ事業者との連携によるライフラインの確保と早期復旧させる対策
  • 防災教育

―などの対策事業を盛り込んでいる。

素案は市防災課、市役所東庁舎1階の防災展示コーナー、支所、市のホームページなどで閲覧できる。パブリックコメントは住所、氏名(団体名)、連絡先を明記した上で、郵送(〒444―8601、岡崎市十王町2-9)、ファクス(23―6618)、Eメール(bosai @ city.okazaki.lg.jp)のいずれかで同課へ。

市内各地域の想定震度と主な被害予測は次の通り。

【市役所本庁館内】
震度6弱。延焼危険度の高い地区がある。名鉄東岡崎駅で約7900〜9100人の帰宅困難者が発生
【岩津支所管内】
震度6弱。延焼危険度の高い地区がある。急傾斜地が崩壊する危険性のある箇所が多く、一部で土砂災害特別警戒区域が指定される
【岡崎支所管内】
震度6弱〜6強。南側に延焼危険度の高い地区がある。人的被害率が比較的高く、JR岡崎駅で約3700〜3900人の帰宅困難者が発生
【矢作支所管内】
震度6弱〜6強。液状化危険度や建造物全壊率、人的被害率、延焼危険度がいずれも高い。避難と消火活動が困難な地区がある。ライフライン被害の長期化が懸念される
【大平支所管内】
震度6弱。急傾斜地が崩壊する危険性のある箇所が多く、地滑りの危険箇所がある。一部で土砂災害特別警戒区域が指定される
【六ツ美支所管内】
震度6強、一部で震度7。液状化危険度、建造物全壊率、人的被害がいずれも高い。道路閉塞の危険が高い地区がある。ライフライン被害の長期化が懸念される
【東部支所管内】
震度6弱。急傾斜地が崩壊する危険性のある箇所が多く、一部で土砂災害特別警戒区域に指定される
【額田支所管内】
震度5強〜6弱。急傾斜地が崩壊する危険のある箇所が多く、一部で土砂災害特別警戒区域に指定される。道路閉塞による集落の孤立が懸念される