東海愛知新聞バックナンバー

 7月23日【日】

青塚古墳の規模は?

幸田町 88年ぶりの調査 説明会に90人

幸田町教育委員会は、同町坂崎にある青塚古墳の発掘調査を行っている。古墳の大きさや範囲を確認するのが目的で、発掘調査は88年ぶり。

青塚古墳は前方後円墳で5世紀後半から6世紀初頭に造られたとされる約20メートルが地表に出ている。

明治43(1910)年、耕地整理中に石室が見つかり、中から人骨や副葬品が出土。大正12(1923)年に外部表面の土器採集や聞き取りによる地形復元・実測調査、昭和4(1929)年に石室内の発掘調査を行った。町教委生涯学習課によると、町内にある約100カ所の古墳のうち、前方後円墳は青塚古墳のみで規模は町内最大。

7月3日に始まった調査では周辺の5カ所を掘り起こし、土質の違いや出土品の量、状態などから古墳をはじめ、周辺にある溝の形状や範囲を調べる。

町教委は22日に現地説明会を開き、同課の学芸員が町内外から訪れた約90人に、8月中旬まで続く調査の途中経過を報告した。

学芸員は「耕地整理によって古墳が大きく削られている部分もあるが、大きさは大正12年の調査で推定された127尺(約38.4メートル)に近い規模」と推測。また埴輪が多く出土する場所が見つかり、古墳の「全容を示すヒントになっている」などと説明した。正確な形状や規模、詳細な築造時期などが不明で、「継続して調査を進める必要がある」と話した。(横田沙貴)