東海愛知新聞バックナンバー

 4月12日【水】

救急車の適正利用を

岡崎、幸田の医師会 ガイドブックで呼び掛け

岡崎、幸田両市町と同市医師会は、西三河南部東医療圏(両市町)の第3次救急医療機関である岡崎市民病院と救急車の適正利用を呼び掛ける「救急医療利用ガイドブック」を作成した。

平成27年度の統計によると、市民病院の救急外来を受診したのは2万9704人。このうち、緊急入院や手術が不要で、受診後にそのまま帰宅した「軽症患者」は76%(2万2517人)を占めた。紹介状のない受診者は86%(2万5527人)に上った。一般病棟への入院は15%(4485人)、救命救急センターへの入院は8%(2411人)だった。

また同医療圏の救急搬送者1万5647人のうち、62%(9729人)は風邪、切り傷、打撲といった緊急性のない軽症患者だった。「タクシーやバスの代替交通手段」「待ち時間の短縮」「予約検査や予定入院」など、身勝手な理由による利用を禁じている。

一方で、「意識がない」「呼吸や顔色がおかしい」「激しい胸痛、頭痛、腹痛」「多量出血」「広範囲やけど」「高所落下」「交通事故」など、119番通報を要する主な症状を紹介している。

両市町と同市医師会は、市民病院の適正利用について「他の医療機関で対応できない重症・重篤患者に早期の高度医療を提供するのが第3次救急医療機関。深夜などは除き、まずはかかりつけ医や地域の救急医療機関の利用を」と呼び掛けている。

ガイドブックは同市保健所、市役所西庁舎1階の市政情報コーナー、同市医師会、急病診療所、市民病院、幸田町保健センターなどで配布している。(今井亮)