東海愛知新聞バックナンバー

 9月11日【日】

連名で緊急アピール

県と10市町が死亡事故抑止に

西三河県民事務所長と西三河地方の10市町(岡崎、豊田、西尾、碧南、刈谷、安城、知立、高浜、みよしの9市と幸田町)の各首長はこのほど、西三河地方で多発する交通事故を抑止するため、連名で「西三河地域交通死亡事故抑止緊急アピール」を発表した。(横田沙貴)

県内の今年の交通事故死者数は8日現在で133人。このうち西三河10市町では約26%を占める35人が亡くなっている。

県内では8月27日から9月5日までに10人が交通事故の犠牲になり、大村秀章知事が6日に「交通死亡事故多発警報」(15日まで)を発令した。だが、西三河地方ではその翌日に刈谷市で交通死亡事故が発生。この事故を受け、西三河県民事務所が各市町に呼び掛け、8日に緊急アピールを発表。今年初めて発表された1月29日以来、2度目となる。

同事務所県民安全課によると、西三河での死亡事故の約3分の1が、自動車やバイクが信号機や街路灯、ガードレール、中央分離帯などに衝突した単独事故だという。速度超過や脇見が原因とみられる。

緊急アピールの文章は同事務所ホームページで公開中。今後街頭啓発活動などでも文書を配布するという。

岡崎、豊田、西尾の3市と幸田町の交通事故死者数は、8日現在で岡崎が6人、豊田が13人、西尾が5人、幸田が0だった。

岡崎署によると、岡崎市では半数の3人が25〜64歳。また、6人中4人が人対車両の事故で前年比3人増となっている。そうした中、9日午後7時ごろに交通死亡事故が発生し、市内在住の54歳女性が死亡した。

豊田市交通安全防犯課によると、同市の死者数は前年同期比5人増。総数のうち8人が高齢者だった。5人が歩行中に自動車などにはねられ死亡。2人が自動車運転中に単独事故を起こし、1人が自動車同士の衝突で亡くなっている。

西尾市危機管理課によると、同市では5人中3人が高齢者だが、加害者になった事故もあった。また、自動車が右左折時に自転車を巻き込むケースもあったという。

幸田町防災安全課によると、町内で交通死亡事故はないが、8月末現在で重傷者2人(前年同期比1人減)、軽傷者108人(同2人増)と交通事故による負傷者の人数はほぼ前年並みを推移。「いつ死亡事故が起きてもおかしくない」と警戒を強めている。

各市町の関係部署や警察署などは

  • 早めのライト点灯
  • ハイビームを活用した早めの歩行者発見
  • 3S(ストップ・スロー・スマート)の実践
  • 子どもやお年寄りを見かけたら速度を落とす

―などをドライバーに呼び掛けている。

また、歩行者に対しては、

  • 夜間の反射材の活用
  • 道路横断時に手を挙げて明確な意思表示を行う「ハンドアップ運動」の実施
  • 一旦停止標識前で止まって安全確保

―などの実践を勧めている。