東海愛知新聞バックナンバー

 8月17日【水】

地域の活気創出へ

岡崎・連尺通り 空きビルをリノベーション

遊休不動産として長らく手付かずだった岡崎市連尺通3の旧東邦ガス連尺ショールームがこのほど、老舗手焼き煎餅店「一隆堂」の関係者の手でリノベーション(改修、刷新)され、「一隆堂ビル」となった。同市と民間の共同による中心市街地活性化を目的とした「リノベーションまちづくり」の一環で、中心市街地に多い空きビルを活用し、地域の活気創出につなげる。(大山智也)

■旧東邦ガスショールーム

かつては休日になると多くの人が行き交っていた康生地区だが、大型商業施設の進出や百貨店の撤退、事業者の高齢化などで客足が離れ、年々減少している。近年は、若手事業者を中心に同地区のにぎわいを取り戻そうとする動きが活発化しており、今回のリノベーションもこうした流れをより加速させ、同地区に人を呼び戻そうと、昨年末から改装作業が進められてきた。

ビルは5階建てで、1階には「やはぎせんべい」をはじめとした同社の商品の販売コーナー、コーヒーや軽食のほかに夏季限定で天然氷を使ったかき氷なども味わえる喫茶室がある。毎月最終土曜には営業時間を延長し、アナログレコードを聴きながらゆったりとしたひとときが楽しめるジャズ喫茶となる。

2階部分は、漫画やアート、サブカルチャー関連本など約3000冊を取りそろえた読書室と、生活雑貨店「FILT.(フィルト)」を併設。陶器類や家具、木製の食器など上質な生活雑貨が並ぶ。3階では、週に1度、書道教室。書道教室の日を除き、個人・団体問わず自由に活用できる有料レンタルスペースとして貸し出している。

4、5階は現在手付かずのまま。将来的には貸し事務所などにして、入居者を募集することも検討しているという。

営業時間は、午前9時〜午後6時。水曜定休。喫茶室は毎月最終土曜のみ午後10時まで。