東海愛知新聞バックナンバー

 6月25日【木】

康生にシェアオフィス

岡崎で7月から
個人事業主の負担軽減へ

商業支援による岡崎市康生地区一帯の活気創出に取り組んでいるまちづくり岡崎は、空き店舗を活用した「シェアオフィス」を、7月1日に康生通東2でオープンする。個人事業主が対象で定員は5人。6月24日現在で2人の入居が決まっており、引き続き入居者を募集している。(大山智也)

■空き店舗を活用

シェアオフィスは、SOHO(通信機器を利用し小規模の事業所で仕事する形態)型の複合事務所。複数の個人事業主が建物内の設備を共有することで、事業主にとって大きな負担となる事業所の開設・維持費用を抑えるのが狙い。今回の物件は、約80平方メートル。

シェアオフィスを企画したのは、材木町のアジアン居酒屋「亜chala」オーナーでまちづくり岡崎取締役長谷川伸介さん(39)。空き店舗活用事業担当の長谷川さんは、これまでに賃料などを理由に入居を断念してきた個人事業主を数多く見てきた経験から「どうにか負担を減らすことはできないか」と思い悩んだ。

そこで、自身がオーナーから物件を借り上げた上で複数の入居希望者に安価で貸し出すとともに、事業の支援も行うシェアオフィスを発案。金銭面などを理由に自宅を事務所として兼用している個人事業主や、資本の少ない起業希望者などをターゲットとしている。

長谷川さんは「飲食、物販、サービスは既にあるチャレンジショップに参入できるが、事務所を持ちたい人の受け皿が康生にはなかった。自分で物件を借り、リスクを背負うことで、個人事業主の可能性を広げる場としたい」と意気込む。

■新たなビジネスチャンスに期待

「2月の事業立ち上げの際、不動産屋を通して事務所を借りようとしたが、費用が膨らみ断念した。今は自宅で事務仕事をしているが、人を招く場合などで不便が多く、事務所を持ちたいという思いが強くあった」

こう話すのは、入居が決まっている住宅リフォーム業「エム・ワイテクノ」代表取締役の山口正浩さん(42)。市内で行われたビジネスセミナーを通じて長谷川さんと知り合い、事務所の件について相談したところ、長谷川さんからシェアオフィスの提案を受けたという。

「今までは同じ業界内での交流はあったが、他業種と接する機会がなかった。他業種の入居者と交流することでいい刺激を受け、新たなビジネスチャンスにつながる可能性もある」と期待感を示す。工務店を通じたリフォームだけでなく、顧客と直接関わることができる新たな事業展開についても考えているという。

入居希望、各種問い合わせは長谷川さんへ。まちづくり情報サイト「康生昭和遺産研究所」(http://www.kosei-isan.link/)などでも順次情報を発信する。