東海愛知新聞バックナンバー

 3月18日【水】

岡崎に水素ステーション開所

商業用で全国初の“自家製造”

岡崎市羽根町の給油所「ドクタードライブ岡崎羽根店」に17日、水素ステーションが開所した。商業用としては、愛知県内ではみよし市に次いで2カ所目。ステーション内で水素を製造する「オンサイト方式」は商業用として全国初。ステーションを運営し「エネオス」名で知られるJX日鉱日石エネルギーは、今後普及が予想される燃料電池自動車(FCV)のインフラを整え、水素の製造・販売を通して水素社会の実現を目指す。(竹内雅紀)

■充てん時間は3分

水素ステーションは既存給油所に併設して建設。オンサイト方式の建設費は5〜6億円という。既存の給油所の中で敷地の広い場所が水素ステーション併設の候補となることが多い。岡崎羽根店は2992平方メートル。

水素は液化石油ガス(LPガス)と水を原料にして作る。同店での1時間当たりの水素供給量は300ノルマル立方メートル(約30キログラム)。FCV1台の水素量を最大50ノルマル立方メートル(約5キログラム)で換算すると、1時間で6台分の充てんが可能になる。約5キログラム分の水素で500〜600キロメートルの走行ができる。充てん時間は1台で約3分間。価格は水素1キログラム当たり1,080円。満タンで5,400円という計算になる。

開所式には同社の内島一郎副社長やトヨタ自動車出身の森岡仙太副知事、内田康宏市長らが出席。内島副社長は「日本のエネルギー自給率はたった4%。水素は新たな国産エネルギーとして期待されている。安定的な燃料調達とニーズに応えることが使命と感じている。ネットワークを生かして水素供給インフラを整備していきたい」と述べた。

FCVは昨年12月にトヨタ自動車が「MIRAI」を発売。西三河地方では豊田、刈谷、安城市などが公用車として購入したが、岡崎市は現在のところ購入予定はない。