東海愛知新聞バックナンバー

 3月15日【日】

ゲームの世界を“再現”

家康館と岡崎城 「戦国無双」の刀剣展

人気テレビゲーム「戦国無双」シリーズに登場する刀剣を模して、現代の刀工が鍛えた刀が並ぶ特別展「戦国無双の刀剣展IN岡崎」が14日、岡崎公園内の三河武士のやかた家康館岡崎城で始まった。会場には刀剣や甲冑、登場キャラクター56人のパネルなど計94点が展示されている。5月17日まで。(横田沙貴)

同シリーズ発売10周年を記念し、昨夏から岡山県瀬戸内市の備前長船刀剣博物館などで開催された巡回展。初日は若い世代の人や同シリーズのファンらが訪れ、見事に再現された刀剣を前に「かっこいい」と感嘆した。ほぼ全ての展示品が撮影可能となっているため、携帯電話やカメラを構える人も多かった。

目玉の1つは、主要人物である真田幸村の「十文字槍」。左右から枝状に伸びた刃で相手の体を引き倒したり、武器を受け止めたりできるなどさまざまな使い方ができる。少なくとも室町時代中期には発明されていたとされるが、資料が現存しないため製作方法についてさまざまに論じられた貴重な1点だ。

十文字槍の横には、直刀(反りのない刀)2本を使った幸村の兄・真田信之の「双刃刀」。家紋の六文銭をあしらった鍔や柄など細部まで忠実に再現されている。ほかにも本多忠勝の「大槍・蜻蛉切」、石田三成の「鉄扇」、加藤清正の「片鎌槍」などがある。また重要文化財である、本多忠勝の「黒糸威胴丸具足」と肖像画も4月12日まで見ることができる。

さらに家康館では特別グッズの販売、オリジナルプレートへの銘切り(プレート1枚1,000円、銘切り料500円)もある。入場料は2館共通券で大人(中学生以上)510円、小人(5歳以上)270円。問い合わせは家康館(24―2204)へ。

同シリーズは戦国武将を操作し、戦場の最奥の大将を倒すのが目的。真田幸村や織田信長、石田三成といった実在の武将が登場しており、戦国ブームの火付け役となった。徳川勢として、徳川家康、本多忠勝、井伊直政、稲姫(小松姫)とその夫の真田信之らも登場している。