東海愛知新聞バックナンバー

 4月19日【土】

ペットボトル再生

岡崎・高木化学研究所
がんばる中小企業 経済産業省が認定
「貴重な資源 海外流出させない」

岡崎市大幡町にある自動車部品製造業「高木化学研究所」(高木啓至社長)がこのほど、経済産業省が認定した「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選ばれた。“地産地消”のペットボトル再生の取り組みが評価され、市内で唯一の受賞となった。(竹内雅紀)

同社は約40年前、使用済みペットボトルから繊維を作るリサイクル事業を始めた。現在、国内で出る使用済みペットボトルの多くは人件費の安い中国へ輸出されるが、同社は県内で回収した使用済みペットボトルを年間で約4000トン使う。近隣から回収することで輸送コストを抑えることができ、運搬距離が短い分、トラックの二酸化炭素排出量減少にもつながっている。

3年前には国の補助を受けて、豊橋技術科学大学と共同で着色難燃繊維を開発した。着色剤と難燃材を再生繊維に直接練り込むことに成功。軽量で色あせしにくく、燃えにくいことから自動車のフロアマットやトランク内装材などに活かされているという。

同社では小学生の社会見学などを受け入れているが、その際には使用済みペットボトルのラベルはがしを依頼している。ラベルをはがす作業はコストがかかるため、海外へ貴重な資源が流出しやすくなる。高木紀彰上席顧問(64)は「ラベルをはがす習慣は子どものうちからつけるべき。限りある資源は有効活用しなければならない。貴重な資源の海外流出を避けて、できるだけ地産地消を行いたい」と話している。