東海愛知新聞バックナンバー

 2月14日【木】

血管病治療 ハイブリッド手術室

岡崎市民病院に完成
県内初、カテーテル室と手術室一体化

■来月中に稼働予定

岡崎市民病院で県内初となるハイブリッド手術室が完成し、報道陣に公開された。カテーテル室と手術室を一体化したもので血管の病気治療に威力を発揮すると期待されている。稼働は3月中の予定。(竹内雅紀)

2つ異質なものを組み合わせて1つの目的をなすという意味のハイブリッドは、ガソリンと電気のエネルギー源で動く車で一般的。今回は、外科処置を行う手術室と高度の放射線透視装置(血管撮影装置)を備えたカテーテル検査室の機能を併せ持つ。

医療の現場では近年、患者の負担を減らすために開胸や開腹をせずに血管内に細い管(カテーテル)を挿入する血管内治療が多い。ハイブリッド手術室では、血管内治療と外科手術が同時に行うことができるため、難度の高い重症例にも対応できる。

診療棟3階の手術部門エリアを一部改修。面積は112.6平方メートル。総事業費4億297万3,000円。血管造影エックス線診断装置や手術台、レーザー血管形成システム(レーザーメス)などの医療機器を導入した。

主に循環器疾患の患者が対象。胸や腹の大動脈瘤(りゅう)の病変部に折り畳み人工血管を置くステント内挿治療、冠動脈バイパス手術とカテーテル治療を組み合わせた治療、心臓弁膜症のカテーテル治療などが治療例。昨年1年間に換算すると約170例が該当する。最大で1日2人の治療が可能だという。

木村次郎院長は「高齢化社会と生活習慣病の増加で血管病患者が増えている。先進的で安全度の高い手術室に期待している」と話した。