東海愛知新聞バックナンバー

 12月17日【土】

■火災から文化財守ろう

岡崎 上地八幡宮で消火訓練
住民らに最新設備披露

岡崎市上地町の上地八幡宮(大須賀久人宮司)で16日、国の重要文化財に指定されている本殿の防災施設の工事が完了したことを受けて、消火訓練が行われた。市内で防災施設工事が完了したのは、明大寺町の六所神社に次いで2例目。防災、防犯機能を兼ね備えた最新設備のお披露目に地元住民ら関係者約30人が集まった。(竹内雅紀)

同八幡宮では、昭和62(1987)年度に設置した自動火災報知設備と消火栓設備が老朽化。文化財保護を目的に、4,138万4,500円かけて改修された。事業費の8割は国庫補助金。今回は消火ポンプと放水銃、消火栓を取り替え、ボタン1つで境内の放水銃3基から自動放水できる仕組みにした。

放水銃は150度回転し、1分間に3基で計約2トンの水が放水される。既設の貯水槽(50トン)に加えて、新たに50トンの貯水槽を設けて貯水量を100トンにしたことで、最長で約50分間の連続放水が可能に。初期消火の万全な態勢が整った。

このほか、市内で初めてとなる炎感知器と赤外線人感センサーも設置。炎感知器は本殿付近の火種を瞬時に検知するもので、火災の早期発見に有効。赤外線人感センサーは本殿周囲の柵を越えて侵入する不審者に対して、「こちらは立ち入り禁止区域です。通報を開始します」というアナウンスを流し、大音量のサイレンが鳴る仕組み。防犯態勢も整えた。

大須賀宮司は「防災と防犯の両機能が整ったことは、重文を守る使命がある私たちにとってはうれしい限りです」と安堵の表情で話していた。


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