東海愛知新聞バックナンバー

 11月13日【日】
伝統的工芸品産業功労

■岡崎の2人 大臣表彰

石製品協同組合連合会 会長・磯貝さん 副会長・上野さん

平成23年度の伝統的工芸品産業功労者等経済産業大臣表彰で、岡崎石製品協同組合連合会会長の磯貝和汪さん(69)=岡崎市上佐々木町=と、同副会長の上野房男さん(62)=小呂町=が功労賞(組合役員等、伝統工芸士)を受賞した。「石都・岡崎」の伝統を支える2人に話を聞いた。(今井亮、横田沙貴)

■磯貝和汪さん(69)
「展望の兆しある」

岡崎石工団地協同組合、岡崎石製品工業協同組合の2組合を束ねる、1期2年の会長職。平成14年の初就任以来、5期目の現在まで連合会運営に尽力してきたが「長期間、継続してきただけ」と控えめだ。

最初に着手した組合費の滞納解消。継続的な努力が実を結び、滞納をほぼゼロにした。金融関係者からの称賛に「会長職のやりがいがあった」と達成感を口にする。

安価な輸入石は脅威に変わりはないが、「展望の兆しはある」と明言。「高い技術力が見直され、『良い物は岡崎』と言われる日は必ず来る。今が踏ん張り時」と力を込める。

不況や後継者不足による組合員の減少という課題は残るが、青年部の意欲的な姿勢は心強い。来年5月で5期目の任期満了。「健康に気をつけて最後まで全うします」と笑った。

現在、全国石製品協同組合副会長、岡崎石工団地協同組合理事長なども務める。

■上野房男さん(62)
「本物の技で遊び心」

「自分がやれることをやっただけ。受賞できたのは、女房と応援してくれた皆さんのおかげ」と話す。

熊本県天草市出身。中学卒業後、石工職人となるべく単身岡崎へ。23歳で結婚と同時に独立した。同級生の妻・光子さん(61)と二人三脚で石材店を運営してきた。

「自分の力で岡崎に恩返しができないか」と模索。時代に合わせ、伝統的な技術を使った斬新な作品も手掛けている。「今の時代は遊び心を求める人が多い。本物の技で遊び心を作っている」

10年前に、岡崎の職人同士の交流をと「おかざき匠の会」を結成。6年間会長を務め、平成17年の愛・地球博への参加も果たした。

現在は岡崎石製品協同組合連合会副会長、岡崎石製品工業協同組合理事長、岡崎技術工学院理事、岡崎技能士会理事を兼任。同院で講師も務め、次世代の育成も行う。


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