東海愛知新聞バックナンバー

 8月17日【水】

■被災地で花火教室

岡崎・太田さんら県煙火組合の有志
安全な遊び方啓発

三河産玩具花火の老舗メーカー「太田煙火製造所」=本社・岡崎市柱町=代表取締役、太田恒司さん(51)ら県煙火組合の有志があす18日、東日本大震災で被災した宮城県亘理町で、子どもらを対象にした花火教室を開く。あくまで花火を安全に楽しむための啓発が目的だが、太田さんは「ほんの一瞬でも震災前の日常に立ち戻ってもらえれば」と話している。(今井亮)

■住民同士の交流に一役

亘理町は岡崎市消防本部が震災発生直後に現地入りし、救援活動に当たった被災地。同市羽根消防団副団長も務める太田さんは、同消防本部の活動報告で被災状況を知り、手が回らない現地の消防本部に代わって、花火教室の開催を申し出た。

県煙火組合からは太田さんのほか、「阿知波花火店」=外山町、「鈴木花火」=丸山町、「保田紙工」=岡町、「稲徳煙火製造所」=安城市桜町―のメーカーと問屋が参加。太田煙火製造所の代表的な商品「ドラゴン」シリーズをはじめ、手持ち花火、噴出花火、線香花火など三河産を中心に約20種類(10キロ相当)を持ち寄る。きょう17日夜に乗用車1台に乗り合わせて出発、片道8時間30分の道のりを運ぶ。

会場となる同町吉田地区には仮設住宅が並ぶ。主催する「吉田西部地区まちづくり協議会」では、花火教室を地元住民と仮設住宅に転居してきた被災者の交流のきっかけに位置づけているという。

「『被災者を元気づける』などの“ボランティア目線”ではありません」と太田さん。「花火ができるのは平和である証拠。その平和な時間を、夕涼みがてらに楽しんでもらいたいだけです」と語った。


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