東海愛知新聞バックナンバー

 12月21日【火】

福聚寺所有「曼荼羅」文化財指定

岡崎市教委
熊野信仰探る貴重な資料

岡崎市教育委員会は、同市牧平町の福聚寺(河野文光代表役員)が所有し、18世紀に描かれたとみられる絵画「熊野観心十界曼荼羅(まんだら)」(縦1.44メートル、横1.3メートル)を、22日付で市文化財に指定する。(今井亮)

熊野観心十界曼荼羅は、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)の宣伝や布教活動、浄財寄付のため、熊野比丘尼が全国を絵解きして回るために、室町時代末期から江戸時代にかけて描かれたとされている。全国では57点の存在が確認されており、県内では浄観寺(一宮市)に次いで2例目。

絵には「心」の文字を中心に半月状の“道”が描かれ、「老いの坂」と呼ばれる、人の誕生から死去までを表現している。下部に描かれた「地獄界」「餓鬼界」「畜生界」「修羅界」「人間界」「天上界」「声聞界」「縁覚界」「菩薩界」「仏界」は、仏教の世界観である「十界」を指す。

絵は新編岡崎市史額田資料編に掲載・解説されており、市教委は「地域における『熊野信仰』の実態を探る上で重要な資料」と、指定理由を説明している。


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