東海愛知新聞バックナンバー

 2月28日【土】
貴重な北山湿地

自然環境保護区に指定

動植物の採取禁止
岡崎市

岡崎市は27日、同市池金町の北山湿地(約26.6ヘクタール)を、一部の民有地を除き、自然環境保全条例に基づく「自然環境保護区」に指定した。湿地内に生息する動植物の採取は禁止され、警告や勧告を無視した違反者には、市の条例で初となる最高30万円の罰金が科せられる。昨年の市議会3月定例会で制定された同条例施行後初の指定で、環境保全を目的とした市の条例による指定は県内初となる。

市によると、湿地内では約7年前まで、盆栽用としてオオミズゴケの持ち去りが目立っていたが、保全活動が進み一度は沈静化。しかし、一昨年には食虫植物のモウセンゴケが大量になくなったほか、現在も監視の目を盗んだトキソウの持ち去りが後を絶たない。

野生動物ではギフチョウの乱獲が進んでおり、ギフチョウの食草であるヒメカンアオイも一緒に持ち去られるという。市は「ギフチョウが飛び立つ3月末に向けて、保護区の指定を周知したい」と話す。

同湿地では平成12年からボランティアによる保全整備が行われている。3年前には市民団体「おかざき湿地保護の会」(名倉正志会長)が設立され、会員50人が木道整備や保護看板の設置をはじめ、動植物の発生・繁殖状況などを調査。法的に守られる保護区に指定されたことで、今後は監視活動をさらに強化していく。

北山湿地

沢沿いに点在する小規模な湿地11カ所で構成される湿地群で、整備されている観察コースは1周約2.9キロ。湿性植物のオオミズゴケやモウセンゴケ、県内では希少とされるトキソウ、市内でも自生地が限られるハルリンドウ、ナンカイイワカガミなどが見られる。

野生動物ではハッチョウトンボ、県の天然記念物のメタイコウチ、ギフチョウ、ホトケドジョウ、水辺には珍しいシマアメンボなどが生息している。


<<インデックスへ  | <<前日のニュースへ

HOME