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東海愛知新聞

額田町の有志が合併で遠のく名前を惜しみ

旧下山村の広報誌を復刻

かつての村の生活を知る貴重な資料 昭和10〜31年 延べ124号3400ページ

額田町の下山地区で、旧額田郡下山村の広報誌「村報郷栄きょうえい」を復刻しようと地元有志が復刻版刊行会(星野盈代表)を組織し予約を受け付けている。山間部の小さな村が残した広報誌だが、季節の行事や村民の投稿も載った“文芸誌”のおもしろさもある貴重な資料になりそうだ。

額田郡下山村は明治22(1889)年に開村。昭和31(1956)年に額田町と合併して閉村し、一部は旧東加茂郡下山村(今年4月、豊田市と合併)に編入合併した。
 額田郡下山村では昭和10年11月から毎月1回、広報誌を発行。名前は当時、官民の長老で組織する「郷栄会」から採った。創刊号では、当時の簗瀬民次郎村長が「村民各位に本村自治行政の内容の御理解を願う一助として、この村報を発刊することに致しました」と発刊の辞を載せている。

 広報誌は、19年2月から29年9月まで休刊したものの、額田町と合併する31年9月まで続き、延べ124号を数える。農繁期に休みになった子どもたちの「お手伝い日記」や、戦場からの便り、生活向上のための提案など、当時の暮らしぶりが伝わる記事も載っている。

 額田町は来年1月に岡崎市と合併することになっており、同刊行会では「このままでは『下山村』の名前がますます遠いものになってしまう。何とか形に残そう」と復刻版の刊行をめざすことにした。かつての広報誌はB6判の小型のものだが、復刻版はB5判に拡大。124号を合わせると3,400ページを超えるため、4冊で1セットにする。1セット12,000円で、300セットの限定販売。
 同刊行会事務局の会員で町議の杉浦立美さんは「かつての村の生活を知る貴重な資料にもなる。これまで約100人から予約があるが、300セットを完売したい」と力を入れている。

 予約の申し込みは10月10日までに、同会事務局の星野保夫さん宅(0564―84―2222)へ。

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