より一層の精進を
瑞宝単光章 仏壇(三河仏壇)製造業従事者天野正一さん(70)
国の伝統的工芸品に指定されている「三河仏壇」の彫刻師。伝統工芸士として仏壇正面の欄間や内部の宮殿、障子などを飾る木彫を手掛ける。職人歴は54年。彫刻刀1本で華やかな仏の世界を作り出す。
祖父の代から続く彫刻師一家に生まれた。中学校卒業後の1972(昭和47)年、祖父の兄弟弟子だった親方の元へ入門。夜間高校に通う傍ら基本的な技術を身に付け、5年間の修業を経て家業に戻った。
得意とするのは立体感のある表現。寺院の大型彫刻も請け負っていた親方の影響を受けた。欄間は一般的な仏壇彫刻よりも厚みを持たせて仕上げる。「扉を開けて最初に目に入る部分だから」と理由を語る。
入門時、岡崎市内に70人以上いた彫刻師も今は数えるほどになった。業界を取り巻く状況は厳しいが、学校での出前授業などを通してPRにも努める。「まだ一人前ではないので、より一層精進していきたい」 (犬塚誠)
