車椅子の点検手伝って
シニアボランティアの会が募る
岡崎市内の福祉施設で車椅子の点検や清掃を行う「シニアボランティアの会」が、会員の減少により存続の危機を迎えている。柴田正会長(72)は「会員が増えれば続けたい。少しでも興味のある人がいれば、のぞいてほしい」と呼び掛けている。 (酒井希実)
活動は水曜の午前を中心に毎月1、2回、市や民間事業者らが運営する福祉センターや特別養護老人ホームといった施設を訪れる。車椅子のブレーキの効き具合を確認して調整したり、前輪に絡まる糸くずや髪の毛などを取り除いて回転を滑らかにしたり。仕上げに全体の汚れを丁寧に拭く。1回の訪問で、1人当たり3、4台を手入れする。
同会は1995(平成7)年に発足。ボランティア活動が女性を中心に行われていた当時、男性向けボランティア講座をきっかけに始まった。会員は多い時で男女15人ほどいたが、高齢化などのため減少。現在は市内の70代男性が実質3人で活動する。柴田会長は「3人だと、体調不良などで1人欠けると施設に迷惑がかかる。30年で一区切りかな」と寂しげにつぶやく。
施設関係者からは惜しむ声が上がる。市中央地域福祉センターの稲葉雄寛館長は「長年助かっている。1年に1度でも点検や清掃をしてもらうことで故障の確率が下がり、車椅子の寿命が延びていると思う。職員では細かい所までなかなか見られないのでありがたい」と語る。
柴田会長は「感謝してもらえる以上に、ボランティアには引き付けられる何かがある。力仕事はないので女性でもできる。必要な道具はそろっているし、分からないことは教えるので専門知識もいらない。一人でも顔を出してくれる人がいれば」と思いを込める。
問い合わせは、柴田会長(080―5163―6047)へ。
